寸庭とは。

小野陽太郎の庭の師である京庭師の佐野旦斎の称えた言葉であり、
方寸即ち「心」を意味する。

たとえ一寸四方の空間でも宇宙の風韻が聴こえてくるような場なら庭であり、
また、一寸角を大切にして工夫する心が「寸庭の心」である。この庭作りの創造する精神を伝えたい。
佐野旦斎の晩年の創作思想「寸庭」の精神に感銘し、この道を歩む。
寸庭とは小庭や坪庭も含むが、大きな庭も寸庭の集合であり、
その中のどの一寸四方も重要である。
旦斎の業績を研究すると、大きさのことだけでなく、
一寸(ちょっと)した工夫で、
場所や費用にもかかわらずできる庭という意味もあることが知れる。

何代も続いた旦斎の家、「植重」の家訓に、
 子は親の真似をしてはいけない、     
 ましてや他人の真似をするのはもってのほかとある。
この厳しい家訓の中から「寸庭」という言葉が生まれた。
京庭の伝統は、創作する精神なのである。